裸足でボクを追いかけて

 その1  祐一:お、あゆ。今日も食い逃げか?  あゆ:うん。ボク、世界制覇を狙ってるんだ!  祐一:そうか。頑張れよ。  その2  祐一:あゆ、そんなに急いでどうしたんだ。  あゆ:祐一くん。ボク今まで黙ってたことがあるんだ。  祐一:なんだ?  あゆ:ボク、実はたい焼き王国の女王様なんだよ!  祐一:そうか……薄々そんな気はしてたんだが。  あゆ:でも、もうお別れなんだ。さよなら、祐一くん……  祐一:飛んだ?!  その3  祐一:あゆ、探しものは見つかったのか?  あゆ:うん。一つは見つけたんだ。  祐一:一つ?  あゆ:ボクの探しものは、全部で七つあるんだよ。ほら、このレーダーに映ってるんだ。  祐一:……で、レーダー使ってもまだ一つしか見つけてないのか。  あゆ:うぐぅ。  その4  祐一:なあ、あゆ。そのリュックって何が入ってるんだ?  あゆ:普通だよ。見てみる?  祐一:ああ、是非見てみたいな。  あゆ:じゃあ、いいよ。はい。  祐一:どれどれ……櫛、鏡、リップスティック、ウォークマン、トランプ……なんだ、本当に普通じゃないか。  あゆ:でしょ?  祐一:ああ、これが学校に持っていくバックじゃなけりゃな。  あゆ:うぐぅ。  その5  祐一:あゆ、なんでそのリュックは羽根つきなんだ?  あゆ:この羽根は生きてるんだよ。  祐一:なぬ?!じゃあ飛べるのか?  あゆ:それは無理だよ。だってダチョウの羽根だもん。  祐一:いや、ダチョウの羽根はそんな形してないぞ。  あゆ:じゃあペンギン。  祐一:なんでやねん!  その6  祐一:うぐぅ。  あゆ:うぐぅ。祐一くん、真似しないでよ〜。  祐一:うぐぅ。  あゆ:うぐぅ。  祐一:土偶。  あゆ:埴輪。  祐一:?!  その7  あゆ:やっぱりたい焼きは焼きたてが一番だね♪  祐一:そう言ってる割に、お前焼きたて食ったことないんじゃないのか?  あゆ:うぐぅ?!  「という夢を、7晩連続で見たんだ」  「うぐぅ。ボクそんなに変じゃないもん」  「そうだな。明日はまともな夢を期待してるぞ」  「そんなの、ボクに言われても困るよ〜」
お・し・ま・い♪