ブギーポップ・オーバーオール
「座談会・前半戦」 藤花:はい、というわけで始まりましたけれども… 和子:ちょっと藤花、一体何が始まったのよ。 藤花:それじゃあ説明しましょう。このコーナーは「ブギーポップ」シリーズの登場人物が自らの出演作の感想を述べあうコー ナーで〜す。 敬:それって思いっきり“ネタバレ”ってやつじゃないの? 藤花:その通りよ。だからまだ読んだことのない人は立ち去ったほうが無難かもね。それと、この場にいる皆さんはちょっと性 格が壊れかけてるんで、悪ノリが嫌いな人も出てったほうがいいと思うな。 啓司:それにしても、この人数は多すぎないか? 藤花:大丈夫よ、全員が喋るわけじゃないんだし。それではそろそろ始めましょうか。 凪:始まってたんじゃなかったのか? 藤花:………司会は私、宮下藤花と、 啓司:竹田啓司でお送りします。 藤花:そういや先輩、最近出番少ないですね。 啓司:ま、卒業しちまったからな。 藤花:蝉ヶ沢さんには気をつけてくださいね。それでは記念すべき第一作目『ブギーポップは笑わない』からスタート!・・・読書中・・・ 啓司:早乙女、お前って…… 正美:まあいいじゃないですか、すんだことですし。 美奈子:私、登場した時点ですでにマンティコアだった……本物のあたしは死体だけ…… 孝子:死体でも出ればいいほうよ、私なんて名前だけしかでてこないんだから。 和子:名前があるだけましだと思うけど? 凪:くっ、直子。 直子:な〜に? 凪:すまなかった、巻き込んでしまって。 直子:いいって、いいって。別に凪が気にする必要ないわよ。 エコー:……必要ない…… 直子:ほら、エコーズもこう言ってるわけだし。 志郎:ところで紙木城さん、僕と木村さんとエコーズ、誰が一番好きだったんですか? 直子:好きになる相手を選べればいいんだけどね。 明雄:答になってねーよ、それ。 エコー:……なってねー…… 直子:うっ、エコーズまで。こ、ここで答えたら歪曲王が困るでしょうが。 歪曲王:その通り。 啓司:お前の出番はまだ先だ! 敬:先輩……あの、私の気持ち…… 啓司:新刻……君の気持ちは嬉しいけど、その、僕には…… 藤花:そこ!人の彼氏を誘惑しない! 正美:世界中で君だけを見ているよ、マンティコア。 マンテ:私にはあなたしかいない。 藤花:そこの世界の敵カップルもいちゃつくな!なんだか無性にいらつくわ。 和子:カルシウム不足ね。 啓司:そういや、あいつが姿を見せないな。ここにはこんなに世界の敵が集まってるのに。 歪曲王:会いたいのかい? 健太郎:だから、あんたの出番はまだ先だって。 凪:……二人とも、フライングしすぎだ。 正樹:そういやこの話って、合成人間でてこないよね。 凪:正樹、あんたまで……ってあんたはでてるのか。 正樹:ま、顔見せ程度ですけど。 清:顔見せか……俺たちは本当に見せただけだったな。 佐知子:そうね。こっちはこっちで大変だったけど。 秋子:あんたら、生きてるからそんなこといえるのよ。 春男:俺、生きててよかった…… 啓司:で、結局この話の主役は誰なんだろうな。 和子:ちょっと強引な話題転換ですね。第一、そんな話題誰がしてましたか? 京子:あ、私たちが裏でちょこちょこと。 藤花:そうそう。 凪:……すまん、和子。 和子:凪まで……私はいつもおいてけぼり。 藤花:いじけないでよ、末真。 啓司:おっとそんなこんなでもう時間みたいだ。最後に………はっ、この音は!! ブギー:僕は自動的なんだよ。 藤花:あれ、先輩、しめるんじゃなかったんですか。 啓司:……あいつ、あれだけを言うために出てきたのか……? 藤花:じゃあ、かわりに私がしめちゃいます。もっと私の出番を増やせ〜〜!!以上、『ブギーポップは笑わない』の座談会で した。 敬:そんなことより主役は?ああ、はっきりさせて〜!・・・席替え中・・・ 藤花:さて次は衝撃の2作目、『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター』ですね。 啓司:これは、いまだにすべての謎が解き明かされたわけではないイマジネーターこと水乃星透子の初登場作だね。 透子:以後お見知りおきを…… 真理子:っていうか彼女すでにこの世にいません。 仁:後を追おうとしていたのは誰だったかな、んん? 琴絵:仁兄さん、私、私…… 仁:君の気持ちに応えてやることはできない。それが君のためでもあるんだ。 正樹:悲しいですね。受け入れた結果が見えるというのは。 綺:正樹…… 正樹:それでも僕は、織機を受け入れたいと思う。 藤花:……なんか、あそこシリアスしてるわよ? 和子:いいんじゃないの、たまには。 綺:正樹、私は…… 慎二郎:待て、てめえになんぞ正樹は渡さねえ! 正樹:え?! 慎二郎:俺は思い出したんだ、俺は、俺は、お前のことがーーぐっ?! スプー:ええい、変なこと思い出すんじゃねえ。鳥肌がたっちまっただろうが。 藤花:今、一瞬だけ、あんたがいい人に見えたわ。 正樹:ところで、あんたの人間名はなんて言うんだい? 綺:ちなみに、私の合成人間名はカミールです。 優:僕はユージン。 慎平:オレはスケアクロウ。 政則:私はモ・マーダーと申します。 十助:僕はノトーリアスICEっていうらしいよ。 卓:私はスクイーズ。 景山:おいらはキャプテン・ウォーカー。 舞阪:俺は人間なんだが……一応フォルテッシモだ。 風見:私はスワロゥバード。 藤花:あんたらでしゃばりすぎ! 正樹:ふうん、合成人間って意外と多いんだね。で、結局あんたの名前はなんて言うんだ?スプーキーEさんよ。 園子:確か、マルコ・ダンブロッシオだったわよね。 スプー:あれは偽名だ。 和子:……安禄山とか? 凪:和子、そんなマニアックなボケはやめておけ。 真理子:じゃあ桜井雅宏! 仁:……誰もわからないと思うよ。 啓司:だんだん収拾がつかなくなってきたな。これはここらへんで切り上げるか。 藤花:でもいいんでしょうかね、手元に『VSイマジネーター』がないからってこんな強引な終わりかたで…… 啓司:大丈夫、あってもそう変わらないさ。それに『ブギーポップは笑わない』も手元にないんだぜ。 敬:え?!じゃあ、さっき読んだ本は一体…… 啓司:それでは最後に……むっ、またしてもあの音が。 ブギー:…… 啓司:何しに出てきたんだ、あいつ?表情だけじゃわかんないって。 正樹:幸せになろうね、織機。 綺:うん。 慎二郎:……邪魔してやる。 凪:おい、こんな締めでいいのか? 直子:いいんじゃないの? 藤花:それでは、次いってみよう!・・・席替え中・・・ 藤花:さて、続きましてはちょっと本編からはずれた感じのする三作目『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』です。 啓司:まあ、異色といえば異色だな。 和子:私は冒頭にしかでてこないし。 藤花:いいじゃないの、末真は出てるから。私なんかヒロインなのに出番ないのよ〜。 凪:……あんた、ヒロインだったのか? 藤花:え、違うの? 凪:まあいい。ただ、異論があるというだけだ。 啓司:……ま、まあ、とりあえず読んでみよう。ここからは手元に現物もあることだし。・・・読書中・・・ 恭子:ああ、やっと私たちの出番よ、香純くん! 香純:ああ、そうだな。 恭子:もう、またそんな暗い顔して。ほ・ら、スマイル、スマイル! 香純:お前、明るすぎるぞ。 優:まあいいじゃないですか。嬉しいんですよ彼女。 希美:しっかしおかしいわよね。 功志:ん、何がだ? 希美:ほら、私たちの話ってさ、ストーリー的には人気があるのに、私たちにあんまり人気ないじゃない? 三都雄:おれなんて既に忘れ去られてる気がするもんな。 恭子:それもそうね。終わってから一度も出てないし。その点、天色くんは卑怯よね。 優:え、どうしてです? 恭子:だってさ、フォルテッシモの登場でなんかまた出てきそうな雰囲気じゃないの。別にはっきりと死んだって書いてある わけじゃないし。 三都雄:おれは死んだけどな。 功志:僕もだ。 希美:私は……わかんない。 香純:まあ、どっちにしろ未来予知が出来るのは俺と七音だけになっちまったってわけだ。 恭子:そうね。希美ちゃんは普通の女の子だったわけだし、天色くんは人間ですらないもんね。 希美:あ、でも、私の能力名ってある意味未来を予知してたって言えるんじゃない? キト:言えない、言えない。 恭子:キトちゃん、そのつっこみ鋭すぎ。 三都雄:ところでよ、キトちゃん。あの、その、なんだ… 功志:?相変わらずはっきりしないやつだな。 キト:まだよ。 三都雄:そうか。まだ世界の危機は完全には去ってないんだな。 弦:安心しろ。その娘はおれが必ず守ってやる。 香純:誰だ、あんた? 凪:俺の師匠だ。 恭子:そういや師匠に預けるとか言ってたわね。でも、いいの?こんなとこに連れてきて。あの辺にいるマンティコアとかフィ アグールに喰われたら、世界が終わるわよ? 凪:大丈夫だ……多分。 恭子:何よ、多分って?! 希美:ところで恭子、その人誰? 藤花:……………話題についていけない。内輪だけで盛り上がってていいのかしら? 和子:いいんじゃない?そうゆう話だし。 啓司:まあ、な。でもそろそろ終わりにするか。じゃあ、最後に……またこの音か!! ブギー:……さっきの雄叫び、気のせいだったか。 啓司:一体何がしたいんだ、あいつは? キト:おにぎり、ちょうだい。 藤花:え?ああ、はいはい。いいわよ。 キト:ありがとう。 藤花:いえいえ、って、え?!これで終わりなの?・・・席替え中・・・ 啓司:本当に締めやがった…… 藤花:細かいことは気にしない。続いてはシリーズの中で最も短いバレンタインデーの一日だけを描いた衝撃の四作目『ブギー ポップ・オーバードライブ歪曲王』の登場です。 和子:いわゆる「ムーンテンプル事件」ね。私はまたもや蚊帳の外だったけど。 啓司:そういや、この日はおれと宮下がつき合い始めてちょうど一年っていう日だったな。 藤花:そうですよ。本当だったら私と竹田先輩がラブラブな話になるはずだったのに……余計なもの作るな!!寺月恭一郎!! 恭一郎:そうか、それはすまなかったね。 志郎:まあまあ。そんなことより、とりあえず読みましょうよ。・・・読書中・・・ 咲子:……あいつの笑顔って、本当にめずらしかったんだ。 啓司:ああ、少なくとも僕は見たことがない。 凪:オレもだ。 敬:私も。 志郎:僕もです。 和子:私は見たこともないわ。 藤花:ところで、あいつって誰? 静香:さあ? 真:おれ知ってる。すっげぇかっこいいんだぜ! ゾーラ:…… 健太郎:何だぁ?!誰だ、ゾーラギなんか呼んだのは! 藤花:あら、合成人間やエコーズたちを呼んどいて、ゾーラギだけ呼ばないわけにはいかないでしょう? ゾーラ:…… 凪:直子、通訳を頼む。 直子:ちょ、ちょっと。私はエコーズ専門よ? 凪:いいからやってみてくれ。 ゾーラ:…… 直子:わかったわよ……え〜と、なになに?本日はこのような盛大な場にお招きいただき、誠にありがとうございます?って、 え?なんでわかるの私?私ってもしかしてMPLS? ゾーラ:…… 直子:つきましては、この喜びを体で表現したいと思い「ブレイクダンス」を披露したいと思う所存です……って、え? 健太郎:ちょっと待てい!この街をブレイクする気か? 歪曲王:それはいけないな。 恭一郎:ああ。しかし、私たちの力ではどうすることも出来ない。 健太郎:おい、真なんとかしろ!あれはお前の歪曲王なんだろ? 真:え〜、やだよ。だっておれ、ゾーラギのダンスって見てみたいんだよ。 凪:くっ、直子!なんとか説得してみてくれ。 直子:うん、わかったわ。ねえ、ゾーラギ、あなたの気持ちは嬉しいんだけど、あなたが踊るとこの街が崩壊する危険がある の。だからダンスを踊るのはもうちょっと広い場所が見つかるまでとっといてくれないかしら。 ゾーラ:…… 敬:どうやら納得したみたいね。 譲:俺、もう帰りたい。 凪:だいたい、世界の敵がこんなに集まってるのが無理やりすぎるんだ。何か起こったら一体どうする気だ? 和子:大丈夫よ。ここにはあんたやあいつや弦さんや正樹くんやエコーズや正義の味方さんやユージンくんやイナズマさんや 最強さんもいるんだから。 慎平:おれはなり損ねたんだがな。 舞阪:助けてやるとは限らないぜ。 正樹:僕は戦力にならないかも…… 仁:僕は頭数に入ってないみたいだね。 歪曲王:私もだ。 和子:だってあんたら、敵っぽいじゃない? 仁:まあ、反論はしないがね。 啓司:……なんか険悪なムードが漂ってきたな。 藤花:そうね、そろそろ終わった方がいいかも。 啓司:それでは最後に……やっぱり出てくるのか。 ブギー:……ご立派なことだね、まったく。 啓司:あいつ、本当に自動的なのか? 敬:というわけでこの話は、私、新刻敬が竹田先輩へ未練を断ち切るまでの課程を描いた、甘く切ないラブストーリーなので した。 啓司:新刻…… 藤花:な、何言ってるの? 敬:え?嘘は言ってないと思うけど? 藤花:間違ってるわよ、思いっきし!ラブストーリーって辺りが特に。 敬:そうかなぁ…… 啓司:まあまあ、二人とも。 藤花:あ〜あ、怒鳴ったらなんだかお腹すいちゃった。先輩、この辺で休憩にしません? 啓司:そうだな。おれもちょっと疲れたし。 藤花:それでは皆さん、また後程お会いしましょう!!