温泉へゆこう!

 とも:お〜い、もうすぐ新学期だな。  よみ:だから?  とも:新学期といえば温泉!みんなで温泉へゆこう!!  よみ:……理由は、聞くだけ無駄よね。  大阪:で、やっぱりこの面子なんやな。 かおり:はいは〜い、今回は私も参加してま〜す。  ちよ:今回は電車ですよね? ゆかり:あら?私ちゃんと車用意してるわよ?  ちよ:……おじいちゃんが、おじいちゃんか……  よみ:ちよちゃん、そっちにいっちゃ駄目! にゃも:ゆかり、今回は電車だって言ったでしょ。 ゆかり:ちっ。 かおり:あ、あの、榊さんも温泉とか好きなんですか?   榊:まあ。  大阪:今度は負けへんでー。  よみ:何が?  大阪:いや、この間旅行行った時の写真、榊ちゃんの後ろにおじさん写っとったやろ?あれに勝つためにはもう宇宙人撮るしか     ないやん。  よみ:勝負するな勝負。 かおり:榊さんは私が守る!  とも:な、何よ突然。 かおり:榊さんは渡さないんだから!  よみ:いつあんたのものになったんだ? にゃも:はいはい、そこら辺にしてもう行くわよ。  ちよ:そんなこんなで旅館に到着しました。生きてるって素晴らしいです。  大阪:そやな。  とも:よっしゃ!!榊ちゃん、卓球で勝負だ!   榊:え?  とも:温泉と言えば卓球!卓球と言えばトヨエツ!だから勝負だ!  よみ:どんな理由だ。 ゆかり:あんたたち、終わったら呼んでね。私ら、先に温泉につかってるから。  大阪:意外や…… ゆかり:何が?  大阪:ゆかり先生やったら真っ先に卓球に参加する思うたのに。 ゆかり:ふっ、甘いわね。  とも:よっしゃ、榊ちゃん。いくら賭ける? ゆかり:私に勝とうなんて百年早いわよ?  とも:は?  よみ:そういう人だよ、あの先生は。 にゃも:結局、全員参加の卓球大会になっちゃったわね。  ちよ:いいんじゃないですか?楽しいんですし。 かおり:榊さん、カッコイイ……  大阪:ちなみに、うちらは全員一回戦敗退や。 にゃも:榊さんと当たったのがいけなかったわね。  とも:あんたそれでも体育教員か?  ちよ:お疲れ様でした〜。惜しかったですね。  よみ:21対2でもか?  とも:榊ちゃんから2点も取れば勝ったも同然!  大阪:負けたんやけどな。 ゆかり:こら、水原。さっさと始めるぞ。  ちよ:ゆかり先生って、卓球うまいんですね。 にゃも:まあ、時と場合によるけどね。  ちよ:? ゆかり:うっしゃ!!いっちまんえん♪  大阪:一万円? にゃも:……負けるなよ、榊。  ちよ:黒沢先生……ちょっと、恐いです……  よみ:あの先生のあの目……体育祭以来だ。 ゆかり:榊!!覚悟はいいわね? かおり:負けるな〜〜榊さん!!  大阪:ところで、なんで卓球って英語でテーブルテニス言うんやろ?  よみ:あんたは、白熱した試合の途中に……  大阪:卓球は卓球や。テニスちゃうやん。そんなん、卓球に失礼やで。はっ、まさか!  ちよ:何ですか?  大阪:政府の陰謀……  よみ:どうしてそうなる。 かおり:やった〜〜!!榊さんの勝ち!  とも:ゆかりちゃんもなかなか頑張ったわね。 ゆかり:その呼び方はやめろ。 にゃも:……ほっ。  ちよ:結局、大方の予想どおり榊さんの優勝で決まりましたね。  とも:それでは榊ちゃん、優勝のご感想をどうぞ!!   榊:あ、有り難う……  とも:どうも〜。以上、温泉卓球スタジアムよりお送りしました。それでは、スタジオにお返しします。  よみ:何処だよ、此処は。   ゆかり:いや〜、運動をした後のお風呂はやっぱ最高よね! にゃも:あら、珍しく意見が合うわね。  大阪:温泉いうたら、やっぱり殺人事件やな。  よみ:またあんたが犯人か?  大阪:ちゃうちゃう。うちは第一被害者や。  よみ:ほう、それで。  大阪:次々と殺されていく仲間たち。そして客間に残された謎の遺書。  よみ:で、犯人は?  大阪:木村先生や。  よみ:……………。  大阪:どないしたん?  よみ:いや、あいつも人は殺してないと思うぞ、多分。  とも:むむ、榊ちゃん一段と成長したか? ゆかり:ちくしょー、ちょっとは分けなさいよ、榊。   榊:え?  大阪:そうや、榊ちゃんこの温泉を通してうちらのエキスを吸い取ってるんやな?  ちよ:榊さん、ひどいです……   榊:え、いや……  ちよ:かえしてくださ〜い。  とも:かえせー  大阪:かえせー ゆかり:分けろー かおり:榊さんをいじめないで!  よみ:……止めましょうか? にゃも:いいわよ。そのうち飽きるでしょう。  とも:あ〜うまかった。  よみ:こら、楊枝は使うな。それでも女子高生か?  大阪:なあ、今から何して遊ぶ? ゆかり:ああ、私はもう寝るから。 にゃも:私も。  とも:よっしゃ、じゃあ枕投げ!  大阪:おっ、ええなあ。 ゆかり:あんたら、私を眠らせないつもり?  とも:もちろん! ゆかり:後悔しても知らないわよ?  ちよ:昨夜は激しかったですね。  大阪:ああ。おかげで腕が痛うなってしもうたわ。まあ、朝に温泉に浸かったおかげでだいぶ楽になったけどな。 にゃも:みんな忘れ物はないわね? かおり:先生!榊さんがいません!  とも:なに!トラップにでもかかったか?  よみ:んなわけないでしょ。 ゆかり:ああ、榊なら土産屋にいたわよ。猫の置物と犬の置物を真剣に見比べてたみたいだけど? かおり:あっ、榊さん来ました! ゆかり:で、どっちにしたの?   榊:……どっちも。  大阪:それも従兄弟のお土産なん?   榊:そ、そう。 にゃも:それじゃあ全員そろったことだし、そろそろ帰るわよ。  とも:最後に写真撮ろう、写真。すみませ〜ん、って、ゲッ!!あんたが何でここに?!  木村:私に何か用かね? にゃも:あら?木村先生、奇遇ですね。ちょっと写真を撮って頂けませんか?  木村:女性だけですかな? にゃも:え、ええ。  木村;合〜格〜!!  ちよ:やっぱり別の人に頼んだほうが……  よみ:私もそう思う。  大阪:もう、遅いみたいやけどな。  木村:かおりん!もっと笑って! かおり:かおりんって呼ばないで下さい!  木村:いくぞ!こ・き・くる・くる・くれ・こよ! ゆかり:……いつ撮ったかわかった? にゃも:……いいえ。  木村:フェイントー!  とも:いいから早く撮れ!  木村:まったく、今時の娘は短気でいかんな。では、チャー・シュー・メン!カシャッ!!  よみ:口で言うな!  カシャッ!!  ちよ:え?  大阪:今、撮ったん?  木村:そのとーり!  とも:最後の一枚が……  よみ:あ、あんな顔を撮られるとは…… ゆかり:やり直しを要求する! にゃも:だから、最後だったんだってば。 かおり:どうしよう、榊さん。   榊:……おしまい。
─終劇─